「個人が個人を雇う」ビジネスの在り方を考える

 

現代社会の仕事のあり方は、面白い。そう思いませんか。会社に大勢の人が勤めて、朝には満員電車という現象が。当たり前かと思うかもしれませんが、私はこれは少し変な光景だと思っています。皆が同じ色のスーツを着て、礼儀正しく(礼儀正しいのはいいことですが)並んで歩き、会社へ向かっています。駅では、乗り換えの電車に間に合わせるために全力疾走する人の姿を見かけます。アスリート並みのスピードで、純粋に感動するものです。これは、とてもユニークな事態だと思うわけです。リモートワークがより一般的になれば、朝の通勤ラッシュという概念は歴史の教科書の話になるでしょう。「おじいちゃんは、毎朝、電車でぎゅうぎゅう詰めになって、会社に行ってたんだって、すごいね!」と孫に言われるようになります。そんな未来を想像できますか?このように社会は変容を続けます。

 

これからは、個人が個人を雇う時代になると、私は思っています。今でもすでに個人レベルでお金を稼ぐことができるシステムがどんどん登場しています。ウーバーが代表的ですね。このように個人が他の個人のために何かをするという社会構造はとても流動的で柔軟で、かなり効率性の面からも理想的だと思います。現段階ではプラットフォームとしてミドルマン(仲介者)が入っていますが、これもなくなることでしょう。仲介者がいるということは、その存在が欠かせないからです。お金を払ってくれるかどうかの信頼であったり、ちょっとした契約に不安があるので、その間を取り持ってくれる人が必要だということです。このような仲介者がいずれ、姿を消すでしょう。なぜなら、ブロックチェーンが誕生したからです。ブロックチェーンは簡単に言えば、あらゆる仲介者の代わりです。〇〇をしたら、その見返りがもらえる。そんな約束が守られるように保証してくれるシステムでもあります。そんなわけで、間に入って、審判のように機能する人やサービスが不要になります。より正確に言えば、このような、仲介者のいらない約束・契約はスマートコントラクトと言われます。物を売ったのにお金を払ってもらえなかった、などの問題が発生する心配はありません。スマートコントラクトはブロックチェーンに基づいていて、事実上、誰もここにあるデータを操作することはできないことになっています。だからこそ、あとから、不正が起きたりしないということです。ブロックチェーンの詳しい仕組みはここでは省略します。もちろん、これは完璧なシステムではなく、まだまだ改善を経ることでしょう。しかし、ここで私が言いたいのは、仲介者の消滅であり、その先にある、個人と個人が気軽にビジネスをすることのできる時代です。つまり、個人が個人を雇うことになります。

 

ここで言う「雇う」とは、長期的な雇用を意味しません。もちろん1年2年単位で雇うこともあるでしょうし、1回何かのサービスをしてもらうために雇うこともあるでしょう。今までは、会社が個人を長期的に雇うのが一般的でした。これからは違います。個人と個人が対面で、またはオンラインで関わり合うのです。接点が増える以上、それだけ大きなシナジー効果も期待できます。分野を超えた連携もどんどん進むでしょう。個人から商品やプロジェクトの開発が進むことも大いに予想されます。例えば、科学分野の人とスポーツ分野の選手が協力して、靴の新商品を開発するといった具合です。

 

このような流れとして、自然にプロジェクトベースの繋がりが増えていくのでは無いでしょうか。これは個人と個人よりは深いかかわり合いであるものの、それ以上ではなく、企業といった組織でもありません。プロジェクトが終われば、お互いは個人同士に切り離されます。もちろん、その繋がりを使って、また、新たな場所で新たなプロジェクトを開始するかもしれませんが、個人と個人という最小単位が有機的に動き作用し合うことには変わりありません。このような潮流はもうすぐそこまできています。組織にしばれることを「とっても不便だ」と感じる人が増えてくるでしょう。それもそのはずです。個人ベースで動くことで、無限に新しい分野と繋がり、自分の活動にそれを活かすことができるようになります。これに絡めてアプリの話をすれば…将来的には、個人と個人が関わりプロジェクトの「一回だけの関係」を実現するためのマッチングアプリが出てくることでしょう。その先には、アプリでは無い何かがその関係者をつなげる世界が広がっています。